裏の裏は、表…に出せない!
実話誌等で暴走する裏系&馬鹿系ライターが、日本最大の歓楽街・歌舞伎町から発信するグダグダな非日常的体験と裏話。そして禁断の取材メモ!
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歌舞伎町破門通り (まとめ)
第一章 歌舞伎町破門通り ~盃のないヤクザたち~


普段、危ない取材を重ねているルポライターたちには、
いつの間にか身体に染み付いた境界線がある。取材した内容の、
書いていい部分とよくない部分の境界線である。


たとえ惜しく思えても、そういう話は自らの引き出しに仕舞い込む。

現在進行形の抗争や事件である場合に、捜査や取調べで、
容疑者や関係者が何も供述していないのに、記事やコラムなどで、
その動機や原因・背後関係などを、得意げに書いてしまう事がある。
真相記事が捜査に重大な影響を与えてしまう。
もしも、当局と捜査上の取り引きなどがあった場合には大変な事になる。

又、オフレコ話で話してくれた事も記述するわけにもいかない。
ついつい喋り過ぎる親分も多い。彼らの話は一方的な場合が多い。
自分を悪く話すヤクザはいない。
事件や抗争には対する当事者がいる。そして関係者も多い。
その記述によっては関係のない人間や
他者の生活にまで影響を与えてしまう場合があるからである。

何より考えねばならないのが…自らの危険。
そうした境界線は自分で敷く。これは安全の為の自主規制だ。

しかし、その境界線が曖昧になってきている。

それは彼ら自身の境界線が曖昧になって来たからに他ならない。
どこまでがヤクザとしてやっていいのか?
どこからが踏み込んではいけないのか?
それが曖昧になりつつある。

ところがそうした境界線が無い連中がいるのである。

それは破門者たちである。
ヤクザを辞めたら何になるのだろうか?
それは…ヤクザ以下である。

『ヤクザを辞めたらヤクザ以下』
…ある親分の言葉である。



親分や幹部クラスならヤクザとしてのシノギを後進に譲っても、
正業のシノギでやってゆけるだろう。
中には、その地位と人脈で黒幕然とした生き方をしている御仁もいる。

しかし、末端の組員には明日はない。
指が欠けていたり、背中に彫り物があったりする元ヤクザを、
喜んで雇う企業がどこにあるだろうか?
……ただでさえ失業率が云々という時代である。 


それでは…彼らはどこに向かうのであろうか?


歌舞伎町から大久保に抜ける百人町に「破門通り」と呼ばれる通りがある。
当然、地図には載っていないし、
歌舞伎町の裏系住民でもその名を知るものは少ない。
ヤクザ関係者が陰でそう呼ぶ通りなのである。
 
カップルが歌舞伎町のファッションホテルを探して彷徨う。
満室、満室…そのうちに職安通りを超えて破門通りにたどり着く。
ここはファッションホテルどころか、
ラブホテルとも言えない古めかしい連れ込み旅館が集まる場所である。
正確にはいえないが、こうしてアナタがたどり着く場所
…そこが破門通り。

何故そう呼ばれるのであろうか? 
この通りは縄張りの空白地帯、
…いや、共同管理地帯なのである。
かつてこの場所を縄張りとしていた組織は業界事情でここを手放した。
その事情を知りえる破門者たちがこの通りに集まってシノギを掛けているわけである。
 

たしかに以前は魅力のあるシノギ場であった。
この場所は外国人娼婦たちのメッカであったのだ。
共同管理地帯に売春をシノギとする各組織が
外国人娼婦をそれぞれに派遣すれば揉める原因となるはずだった。

共存共栄を掲げる彼らはその商品を変えた。
ある組は中国人娼婦、ある組は南米系、ある組はロシア…と
出品する商品でその棲み分けを作り上げた。
そしてそれらを警備する組、
彼女たちに薬物などを供給する組、
付近の旅館からミカジメを取る組…、
こういう具合に共同管理地帯を活用した。


しかし、歌舞伎町浄化作戦や入管の不法就労者の摘発などで
この通りの外人売春は一気に衰退していった。
時代遅れの連れ込み旅館街は
何の魅力も無い通りとして彼らに放置された。
そこに破門者が集まったのである。

彼らに境界線はない。
むしろヤクザで無くなった彼らは生きてゆくために自らそれを越え始めた。
日本のヤクザ組織が微妙に距離を保つ外国犯罪組織とも繋がっていった。
彼らから薬物の供給を受けて販売したり、
ピッキングやスキミングという彼らが持ち込んだ技術を使い、
ヤクザ以下の犯罪者集団に成り下がってしまった感もある。

しかし、彼らはそれだけでは終わらなかった。
ヤクザでは手が出せなかった彼らならではの新たなシノギとは…?


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第二章 :歌舞伎町破門通り ~ヤクザを辞めたらヤクザ以下~


『彼らは何にでも手を出す。そう言っても過言ではない』


ある親分はそう言う。
彼らは従来のヤクザ組織が行なうシノギに手を出すわけにはいかない。
…となれば、より犯罪性の高いシノギや既成のヤクザには思いもよらない方法に手を出す。

携帯電話を使用した「090金融」がその後のシステム金融といった
ヤミ金や振り込め詐欺などの犯罪のターニングポイントであった様に、
彼らは新たなシノギとシステムを生み出す。
振り込め詐欺や架空請求詐欺も、
彼らが元出会い系業者やヤミ金業者の若い連中を取り込んで生まれた犯罪である。
覚醒剤を「アイス」「エス」と言った名称でシロウトが手を出しやすくしたのも彼らである。


既成のヤクザは金を持っているグレーゾーンの人種や
企業などには手を出すが、
落とし穴に落ちてくるカタギは別にしても
一般のシロウトには手を出さない。


しかし、彼らはそのシロウトが簡単に金を吐き出す事を知っていた。
結果、道徳心の麻痺したヤクザになりきれない若者たちを取り込んだ集団が生まれた。

フィッシング、スキミング、ネット犯罪など、彼らのITの知識や
新技術を応用した詐欺犯罪が生まれることとなった。
…と同時に犯罪コーディネーターと言える人間たちが現れてきた。
ヤクザ、外国犯罪組織、グレーゾーンのカタギ…、
彼らがそうした人間たちを結ぶのである。

彼らに利権や儲け話が持ち込まれると、
したたかに犯罪をコーディネートするのである。
外国人強盗団に日本人の金持ち情報を流し、
外見上、目に付きやすい彼らに代わって下見役を勤める。
東南アジアのカード偽造集団に日本人の買い子や出し子を手配…、
米、農作物の強奪の手配をし、販売先を確保する。


ヤクザ社会や地下に潜っている外国人犯罪者組織との面識があり、
その事情を知り尽くしている彼らにこそ可能な職種かもしれない。


個人情報を扱う名簿屋やデータ屋、事件屋、
整理屋、回収屋、倒産屋といったヤミ経済、
ワケあり不動産や違法品、盗品などを扱うアングラ系ブローカーなどを彼らは結ぶ。

自分がどの犯罪のどの部分を担当しているのか知らなくて、
知らず知らずに重要犯罪に加担しているというシロウトが多くなっている。

そういう現状も彼ら「盃を持たないヤクザ」たちが生み出しているのかも知れない。
そうした代表がヤミ金の帝王と呼ばれた人物なのかも知れない。


彼らは既成のヤクザ組織と敵対しているわけではない。
むしろ彼らの望む二部リーグ的な部分もある。
先の振り込め詐欺や架空請求詐欺、
強盗や窃盗事例、違法薬物販売などの事例もそうであろうが、
ヤクザ組織が体面的に手を出せない犯罪行為や
彼らの下請け的な仕事にも積極的に手を出して、
そのノウハウを提供したりもする。
ヤクザ組織の保護下にある集団もある。

盃を持たないヤクザ予備軍という側面も持っている事は間違いではない。


彼らをどう位置づけていいのだろうか? ある破門者が言う。

『ヤクザ組織ってよくピラミッド型っていうだろ?あれは嘘だね。
たしかに三角形だよ。でも、それは恐ろしく鋭角なピラミッドだ。
で、底辺は広がっている。押しピンみたいな形だよ。
先端にいるのは一握りの人間、俺たちは押しピンの底だよ。
しかも先に行くのに途中で溝があるような気がする。
俺たちがヤクザである利点は看板が使える事だろ?
ところが、使えばサツに捕まる。
勝手に使うなと上からは怒られる。
もうバカらしくて! だったらフリーの方がいい!』


ヤクザ社会にも構造改革が起きていると言われる。
組員の犯罪は組織の長の責任であるとする
使用者責任の最高裁判決を受けて組織改革を進めているのだ。

ヤクザ社会そのものの離合集散。
組織内部においても総裁制の導入や連合体からピラミッド型組織への移行。
表社会の企業統合や企業体の構造などに似せて来ている。
そうした事も彼らを生み出す一因となっている。

ある犯罪学者はこう分析している。

『ヤクザは近い将来、三階層に分かれる。
一番上は利権を握ったフィクサー的階層、
次に企業化した表経済に関わる階層、
一番下に本来のヤクザと呼ばれる裏経済を担当する集団。
そして彼らから隔離された犯罪を一手に扱う集団』

ヤクザ組織とは違う外国型の犯罪組織が次々と誕生するような
…いや、すでに誕生しているのかも知れない。

それを象徴するような事件が、広島で起きた。
その「盃を持たないヤクザ」は、事もあろうに……


PPMM.jpg



第三章 :増殖する新たな犯罪組織…彼らは盃を持たない


平成十六年二月九日午前零時すぎ、
広島市中区の広島東警察署が襲撃された。
何者かが正面玄関に向けて銃弾を撃ち込んだのであった。
実行犯は今なお逃亡中である。

それは、あらゆる闇犯罪を支配した鬼畜集団が放った恨みの銃弾であった。
襲撃の動機は、逮捕された彼らの仲間へ対する捜査を甘くするよう、
同署捜査官に申し入れたところ、拒否されたことへの逆恨みであった。
警察の威信を陥れんがための大胆不敵な犯行である。

その組織の名称は「インターナショナル・シークレット・サービス」

この事件はのちに警察と犯罪組織との癒着を露呈させることになる。

この警察襲撃事件の裁判で
裁判長はISSについて「暴力団まがいの組織」と表現。
捜査方針の変更を警察署員に迫ったが、
聞き入れられなかったことに激高し、
同署のメンツをつぶして組織の威勢を示すことを目的に発砲したと動機を認定した。

…彼らは如何なる組織であろうか? 

盃を持たない暴力組織。
既成のヤクザ組織には属さず違法行為を繰り返す犯罪組織である。
メンバーのほとんどは20~30代と若く、
主たるシノギは覚せい剤の密輸販売。

彼らはカップ麺のスープ包装の中など食品の中に覚せい剤を忍ばせ、
大胆不敵にもフィリピンから国際郵便を使って密輸していたのである。
広島県警は末端価格約二千三百万円の覚せい剤を押収したが、
それは氷山の一角であったことは言うまでもない。

彼らはこれら違法薬物の密輸販売を主に、
ヤミ金、振り込め詐欺、銃器密売、恐喝…と、
さまざまな組織犯罪に手を染めていた。

リーダーはS(逮捕済)。
彼を中心に舎弟、子分という既成の暴力団形態を模し、
組織化されたギャングという言い方が、
もっとも当てはまるかもしれない。


実はISSにはある重要事件への関与が警察関係者に囁かれていた。
神戸テレクラ放火殺人事件である。
その事件の実行犯は、犯行後に広島に逃亡した。

その際に、火傷をした犯人に病院を手配したのがSであった。
この事件で彼は参考人として呼ばれたが、善意の第三者として釈放された。


ところが、週刊現代があるスクープを発表した。

それは広島県警の現職刑事からの告発であった。
ISSの首領であるSがこの放火殺人事件の首謀者だが、
広島県警の捜査官との癒着があり、
捜査に手心が加えられているどころか、
彼らによって庇護されているとしていた。

その実名報道された捜査官はヤラセの拳銃摘発などの点数稼ぎでSに対して恩義があり、
Sも同捜査官のエス(スパイ)を務め、
同捜査官らに対して利益供与していたという事実が暴露されていた。
広島県警は抗議文を同誌に送りつけたが、

……のちに真実が浮かび上がってくることになる。


広島県警は重い腰を上げた。
癒着を暴いた週刊誌報道の直後に、
次々とメンバーは逮捕され、
彼らの犯した犯罪が暴露された。

Sは警察署のみならず、
購入しようとした億ションの審査に落ちたことを逆恨みし、
不動産販売会社にも銃弾を放っていた。


昨年10月、ついに決定的な法廷証言がされた。

広島東警察署銃撃事件で逮捕されたISSメンバーのひとりが、
Sの指示でリンリンハウス放火殺人事件が実行されたと証言した。

被告人質問の中で
Sはリンリンハウス事件の容疑者の面会によく訪れており、
『わしのせいで4人死んだ』と言った」とSの発言をを名指しで証言したのであった。
その他の殺人事件にも関与している証言もある。

神戸の放火殺人事件のリーダー格、
広島の襲撃事件の実行犯はいまだ逃亡中である。
当局は必死に追いかけている。
検索サイト・ヤフーにバナーを貼って
所轄警察本部の指名手配書に飛ぶようにしている。

しかし、彼らは捕まらない。
捕まるわけがないからだ。
彼らは国内にはいない。
……ひょとしたら。

こうした「盃を持たないヤクザ」たちは、今、全国で増殖している。


歌舞伎町・破門通り……そこに集う破門者たちは言う。

『俺たちはアウトローだ。
ヤクザみたいに、法律スレスレじゃなくて、
完全に法律(LAW)の外(OUT)でシノいでいるからアウトローなんだ。
底辺(LOW)に堕ちた(OUT)わけじゃない』



『歌舞伎町・破門通り』『盃を持たないヤクザ達』『ISSの狂気』
(C)SHINSHUN / 劇画マッドマックス(コアマガジン)vol11・vol16・コラム原稿を加筆改稿。


追記:神戸テレクラ放火、同業の女が依頼か…実行役に現金?

 4人が死亡した神戸市中央区のテレホンクラブ「リンリンハウス」系列店の連続放火事件で、実行役に犯行を指示したとして殺人と現住建造物放火などの容疑で逮捕状が出ている広島市内を拠点とする麻薬密売グループのリーダーの男(45)(銃刀法違反罪などで公判中)が犯行直前、神戸市内で当時テレホンクラブを経営していた女(65)から1000万円以上を受け取っていたことが、兵庫県警生田署の捜査本部の調べでわかった。

 県警は、女が東京から進出してきた業界大手のリンリンハウスに客を奪われると危機感を持ち、多額の報酬で犯行を依頼したとみて、女にも同じ容疑で逮捕状をとっている。

 調べによると、当時リンリンハウス系列店が神戸市内でも急成長していたため、女は2000年初めごろ、リーダーの男に営業妨害を依頼。当初は消火器を噴射したり、ペンキをまき散らしたりしていたが、効果がなかったとして、リーダーの男が、元暴力団組員の堀健一容疑者(37)(指名手配)ら3人に放火を持ちかけたらしい。

 リーダーの男は、女から受け取った現金のうち半分を堀容疑者ら実行役3人に渡したとみられる。
(読売新聞) - 2月8日3時5分更新



神戸テレクラ放火で逮捕 愛媛県警、容疑で
2008年7月28日 02時28分 共同通信

愛媛県警は28日午前、神戸市のテレホンクラブ「リンリンハウス」の放火事件で、現住建造物放火などの疑いで、住所不詳、無職堀健一容疑者(39)を逮捕した。調べによると、堀容疑者は、1審で無期懲役とされた元テレクラ経営中井嘉代子被告(67)らと共謀。2000年3月2日、「リンリンハウス」の営業を妨害するため火炎瓶を投げ込んだ疑い。放火で男性客4人が一酸化炭素中毒死した。


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