裏の裏は、表…に出せない!
実話誌等で暴走する裏系&馬鹿系ライターが、日本最大の歓楽街・歌舞伎町から発信するグダグダな非日常的体験と裏話。そして禁断の取材メモ!
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亀!
ある親分がいる。
子分はみんな強烈なキャラと屈強な肉体である。
・・・でも、親分は小さい。

そのせいなのか?(どのせいや!)
強いものや高そうなものが大好きのご様子である。

・・・で、そのせいか?(だからどのせいや!)
様々な強そうな、高そうな、動物を飼っている。
人間と喧嘩したら、人間が確実に負けそうな闘犬、
留守番以上のことをしてくれそうな番犬、
売ったら高そうな鯉、
水槽の中で、一生方向転換できないであろう育ち過ぎたアロアナ、
よく分からない猫科の偉そうなヤツ・・・。

それらの飼育を担当するのが部屋住みの若い衆A氏。
組内では「飼育係」と呼ばれている。
(名刺には刷ってはいない)

・・・で、最近の親分のマイブームは爬虫類。
専門書を買い込んではニヤニヤ眺めているらしい。

ある日、「飼育係」を呼んだ。
「親分、何でしょうか?」
「今度、新しいヤツを買うからな。・・・お前、飼育係な」
(あらためて言わなくとも、分かってるって!)
「・・・・・・。何です? 新しいのって? まさか・・・蛇とか? ワニとかですか?」 

で、数日後、その新しい仲間が届いた。
なんじゃぁ!こいつは!
・・・ワニガメ? 噛み付きカメ?
甲羅はゴツゴツ、凶悪顔、カメのくせに眼光鋭く、
睨みを利かしている。
「・・・良かった。ホッ」
飼育係はその亀の凶暴さを知らなかった。
蛇やワニでなかったことで安心していた。

20061213104529.jpg


何でも孫に欲しいものを聞いたら
「・・・ガメラ」と答えたらしい。
親分は孫を喜ばすために購入したのである。
でもそれは「小さき勇者」ならぬ「小さき暴力団」だったのである。

ところで、飼育係の唯一の趣味は
安~~~いキャバクラ。
事件の起きた夜も、飼育係ジャージをスーツに着替えてお出かけだ。
「お? おめかししてキャバクラか? 頑張れよ!」
兄貴分がからかう。
飼育係はまったくもてない。
武闘派組織の中で飼育係を勤めているくらいのヘタレだ。
聞けば、本当か嘘か?「お前を飼育してみたいぜ!」
・・・と、キャバ嬢に連発しているらしい。彼の殺し文句であろうか?
(すでに・・・お前は死んでいる・・・ような気もしないでもないが)

結局、その夜も「馬鹿じゃないの!」と
お目当てのキャバ嬢に振られて、
いつものように泥酔してトボトボと帰宅した。

そして、いつものように動物たちに話しかける。

「俺のことが、…分かるのは、…理解してくれるのは、お前たちだけだ」

喧嘩したら確実に人間が負けそうな闘犬にも、
留守番以上のことをしてくれそうな番犬にも、
売ったら高そうな鯉にも、
水槽の中で、一生方向転換できないであろう巨大なアロアナにも、
よく分からない猫科の偉そうなヤツにも、

そして、・・・あの新しい親友にも、

「俺のことを、分かっ・・・お前・・・だけ」
飼育係は何を思ったのか?
ワニガメに口付けしようとしたのである。

ギャアアアアアアアアアアア!
親分の邸宅に彼の悲鳴がこだました!

ワニガメは目の前に異物が来ると無条件で噛み付く。
青竹を食い千切るアゴの力を持っている。
それが柔らかそうで美味しそうな唇なら尚更である。


部屋住みの仲間や兄貴分が駆けつけてきた。
「どうした!」「出入りか!」
彼らが見たのは、血だらけで悶絶する飼育係と、
離してなるものか・・・というワニガメの不敵な凶悪顔。

「救急車!」
兄貴分が叫ぶ!

数分後に救急車が登場、
地元で有名なヤクザの親分宅だ。
救急隊員たちは異常に緊張した顔だ。
そりゃそうだ、暴力団宅ということにくわえ、
顔面をタオルでグルグル巻かれた血だらけの若い衆を見たからだ。
発砲? 斬り込み? 様々な想像が頭を駆け巡ったはずだ。

タオルでグルグル巻きにしたのは、
カメが動くと激痛が走るからであった。
とにかく、カメが動かないように押さえ込んだ。

「どうしましたか!」
緊張も面持ちで救急隊員が叫ぶ
「うぐああああああ」
飼育係は激痛を訴える。

救急隊員は恐る恐るタオルをめくる。
「・・・え?」
「・・・はぁ?」

そこにいたのは「カメ」!

噛み付いた「カメ」!

ガメラのような「カメ」!

「・・・カメ・・・です・・・か?」


これは、ある兄貴分の目撃証言である。
『救急隊員は笑っていた』

隊員たちの呆気にとられた苦笑が眼に浮かぶようである。

かくして飼育係は緊急搬送されることとなった。
緊急無線に叫ぶ隊員。

「受け入れお願いします。亀です!亀!」

ガガガガ・・・『亀を搬送するんですか?』

「だから亀です!亀が下唇に噛み付いて出血!」

ガガガ・・・『もう一度お願い致します』

そりゃ、聞き返すわな。


大騒ぎに安眠妨害された親分はドスの利いた声で一言

『その亀・・・殺すなよ』


亀を付けたまま担架で運ばれる飼育係。
かくして無事に亀は離され、彼は10針近く縫って退院。


彼は元気でキャバクラ通いをしているそうである。
「この前の抗争で、名誉の負傷さ・・・」
『亀だろ!亀!』
街では有名な話、知らぬは本人ばかりなり。
『お前を飼育してみたいぜ!』


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~最新情報~

現在の彼は、部屋住みを解かれて、
「ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる」
ある安キャバ嬢に飼育されているそうである。

亀も一緒である。

孫が「このガメラ、大きくならない」と、飽きてしまったそうだ。

でも、この亀・・・最後には、こうなることを彼は知らない。

20061213104614.jpg


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この話、彼の兄貴分の許可を頂いておりますので、
抗議は一切受け付けません!


(C)SHINSHUN 「極道ヘタ打ち列伝」原作改稿

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