裏の裏は、表…に出せない!
実話誌等で暴走する裏系&馬鹿系ライターが、日本最大の歓楽街・歌舞伎町から発信するグダグダな非日常的体験と裏話。そして禁断の取材メモ!
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歌舞伎町にゲソを漬けた日 (あえて漬けたと…)
モノには変って良いモノと
            変わって欲しくないモノがある。



新宿歌舞伎町では次々と新しい商売が生まれる。
住人の顔ぶれも目まぐるしく変わる。
まぁ、それは変わっていいだろう。
この街が混沌としたエナジーとバイタリティの街だからだ…。

しかし、それを認めつつも、絶対に変わって欲しくないモノがある。

街の「景色」となったモノたち、
「顔」となった人間たちである。

よく利用させてもらう歌舞伎町の有名喫茶店である「パリジェンヌ」「上高地」そして、職安通りの「ニュー山」が、示し合わせたように同時期に閉店またはリニューアルした。

「パリジェンヌ」は喫茶コーナーを4分の1にして
(それでもソノソコの広さの堂々とした喫茶店だろう)
おしゃれな食材の並んだ明るい食品スーパーに変わり、
現在は薬物…いや失礼、ドラッグストアになった。

表歌舞伎町の中心がコマ劇場前広場なら、
裏歌舞伎町の中心は多くの凶悪事件の舞台となった風林会館周辺だろう。
この店は間違いなく世界じゅうのドコよりも危険で不幸な喫茶店だった。

そうした場所に新たな歌舞伎町の「顔」が出来た。
存続すれば、歌舞伎町が様々な住人や色々な商売を飲み込んできたように、数年後には…この薬物ストアもいつかは歌舞伎町になくてはならない「景色」となることだろう…。



さて、私が歌舞伎町にゲソを漬けた日のことを書こう。
…以来、ドップリ漬かってしまったので…あえて、漬けたとさせてもらいます。


芸人あがりの構成作家くずれ(クズですネ)で、フラフラしていた20代の頃(まだ「不夜城」もあった頃)
この街に「生活」を求めたワタシは、真夜中の「パリジェンヌ」で、某親分の紹介を受け、面接先の責任者と待ち合わせた。

注文もせずに待っていると、相手の責任者は電話を寄こした。
レジ兼電話交換係のオバさんに店内放送で呼び出され、慌ててピンク電話に飛びついた。
店内に「散在」という表現がぴったりの街の住人たちの全ての目が、立ち上がったワタシに一斉に向けられたような気がした。
この時間のこの場所では明らかに異質の存在のワタシは非常に心細かった。

『遅れるので待っていて下さい』
電話の向こうで相手は言った。
………そして、そのまま忘れられた。

まだウブだったワタシは、そんな事にも気づかず、田舎の喫茶店なら食事ができる値段のコーヒーを仕方なく注文し、言われたまま夜明け近くまで待ち続けた。

偶然、ワタシに口を利いてくださった親分が、
数人のホステスとボディーガード風の若い衆を引き連れ、
閉店間近の「パリジェンヌ」に入ってきた。
親分はワタシを見つけると、店内に響き渡るほどの迫力のある声で、
『面接はどうだったかい?』と手招きをした。

ワタシは親分のテーブルに駆け寄った(広かったなぁ…)。
恐る恐る『実は…』と事の次第を告げた。
親分の顔が一瞬にして変わった。
親分は巨漢のボディーガードに向かって、ほんの少しだけ顎を動かした。
巨漢の若い衆は無言で公衆電話に向かった。
 
十分後…、
ふたりの若い衆が店内に入ってきた。
彼らは白いワイシャツを血で染めた水商売風の男の両脇を掴んでいた。
若い衆は親分に大声で挨拶をし、ワイシャツの男を蹴り飛ばした。
男はそのまま親分の前に土下座した。

『相手が違うだろ…』
親分はそう言った。

その相手とはワタシの事だった。
雇っていただくはずの相手が、面接される側のワタシに土下座している……。
『さぁ、面接を受けろ!』
親分は笑顔でワタシに言った。

『え~~~~~~~~~~~~っ!』

…これがワタシの「パリジェンヌ」初体験の思い出だ。


それから20数年後
新生「パリジェンヌ」では、我がもの顔でアイスコーヒーを啜り、
「あ、ども!」
「元気?」
…と多くの顔見知りに挨拶し、挨拶される、歌舞伎町の古株住人になった私がいる。


さて、後日談だが、その親分は歌舞伎町で、
いや…全国組織の最高幹部になられ、数年前にお亡くなりになった。

カメラが趣味で、思い付いたら独りでフラリと写真を撮りに旅するような方で、歌舞伎町の住人の誰からも愛され、その死を惜しまれた名物親分だった。



最近、私を面接しなければならなかった血みどろの店長に取材で出会った。
今や歌舞伎町でも有名なキャバクラチェーンのオーナー社長だ。
彼はこの時のことを鮮明に憶えていて
『へぇ、そうなの? …だったんだ。本読むよ。買うよ。何十冊と持っておいでよ』と喜んでくれた。

彼はこうも言った。
『あの時は俺が悪い。親分の人柄を考えずに、どうしようもないチンピラでも押し付けられるのかと思って、話半分のいい加減だったからなぁ…。あの親分にはそれ以上に世話になってるくせになぁ…』

そう言って親分を想い出すかのように沈黙した。


たしかに、私はどうしようもないチンピラでした。
そのチンピラは残念なことに、
その親分の話をうかがって、執筆することは叶わなかった。



…… 極東会会長代行 極東眞誠会会長 池田亨一親分。


最後に会ったのは姐さんと伊勢丹の地下、食品売り場。
買い物の休憩中だった。
親分はグレープフルーツジュース。姐さんはソフトクリーム。

……昨晩、なぜか? あの時の親分の夢を見たのである。






追記:パリジェンヌの「ラーメン」はなぜか?めちゃくちゃ旨い。
なぜに?喫茶店でラーメン…? 
なぁんて思わずに騙されたと思って食ってみてください。
…あ、騙されたと思うかも。

妙な柄のシャツでラーメンを食っている怪しげな男がいたら、
それは私です。
お気軽にお声をお掛け下さい。



ガウッ!
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