裏の裏は、表…に出せない!
実話誌等で暴走する裏系&馬鹿系ライターが、日本最大の歓楽街・歌舞伎町から発信するグダグダな非日常的体験と裏話。そして禁断の取材メモ!
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歌舞伎町の女彫師  ~天花彫~
夜の歌舞伎町を歩く。
キャバクラ嬢や風俗嬢といった夜の住人達とすれ違う。
季節が夏ならば、イヤでも露出部分に目が行ってしまう。
腰、肩、腕、足…。タツゥーを入れた女の娘がやたらと多いのである。
中にはワンポイントではなく本格的な彫り物の女性もいる。
この街ではファッションのカテゴリーとして既に市民権を得ているように感じられる。


そんな住人達の風の噂…この街には名物・女彫師がいるという。
彼女の名前は「天花彫」。
裏・歌舞伎町にタトゥースタジオを構え、夜の住民達の背中に「人生」を彫る女であった。


「普通の家庭に育った画家志望の少女でした。油絵を美術展に応募し必ず賞を頂いていました。関係者から焼き物の絵付けや着物の図案をやらないかって話もしょっちゅうでした。ところが、ある人物に出会ったんです。彫師の二代目大門さん。最初は知らなかったんですよ。美術談議に花が咲いて、アトリエに遊びに行きます…って。えっ!入れ墨?…驚きました。しかし、白い肌に刻まれた刺青の美しさに魅了されました。この人は私の人生を変える人だ!こうして弟子入りを決めました。作画の方は出来上がっていましたから、来る日も来る日も人の背中に向き合って技術を学んだんです。」

彼女の作品には力強さの中に女性らしい筆致と視点が見て取れる。天女、梵天、観音…顔立ちが慈愛に満ちて実に柔らかい。
反面、不動明王、龍、唐獅子といった伝統的な図案はあくまでも荒々しく力強い。顔や眼が活きている。
美術展で数々の賞を総ナメしていたというのも頷けた。
…ところで、歌舞伎町という土地にスタジオを構えると言う事はどうなのであろうか?


「そりゃあ土地柄、ヤクザ屋さんは多いですよ。彫っている時に世間話をしているだけで裏事情には詳しくなりますよ。この間も彼らが次々と予約をキャンセルしてくる。こりゃ抗争だなと、スタジオに籠もっていても分かってしまうんです。ヤクザ激戦区ならではです。ところが、待合室では対立している組同士がカタギの客を交えて入れ墨談議で盛り上がっていたり…。ケンカ?無いですよ。稼業同士が頻繁に出会う場所では暗黙のルールで御法度ですから。彼らにとっては公共の場ですからねぇ。外国人も多いですよ。パスポートが無い奴もいる。アジア、南米…。お国柄も文化も尊重している。でも時々、えっ!と驚く依頼もあります。その国の言葉を彫ってくれって。梵字やアルファベットは勉強しますが、アラビア語やペルシャ語なんてねぇ(笑)」


書棚には数々の美術書が並んでいる。
浮世絵、歌舞伎絵、著名な日本画家の作品集に加えて、梵字、神話、東洋や西洋の古典美術や宗教画集など…。
彼女の元に訪れる多種多様な人間が想像できる。
取材中もベトナム人の男女が相談に来ていた。
女性は口唇に朱色を入れたいと言う。自国で流行しているらしい。
天花彫は顔に彫る事が好きではなくヤンワリと断る。
男性は故国で彫った筋彫りを直したいと背中を見せた。そこには子供のイタズラ描きの様な自由の女神が彫られていた。一同大爆笑。彼も苦笑いしていた。
外国の刺青を見ると日本の刺青文化や技術の高さが再認識されると彼女は言う。このやり取りを見ていて不思議に思った。
天花彫は日本語しか使っていないのに、何故か?日本語の怪しい彼らには通じているのだ。彼女の笑顔に人柄を垣間見たような気がした。


「刺青っていうのは自分の手元に置けない作品でしょう…。彫師が皆んな抱えている葛藤です。大切にしてもらえない時は悲しいねぇ…。タイの女の娘に彫った時も、私が女性だから言えるんだけど、擦れるからセックスはダメ、正常位はノーだよって言っても、やってしまう。どうして?と聞くと、彼女はそれが商売なんですよ。他にも多重債務で裏風俗に堕ち、それを機に彫って欲しいと言う女性も…。切なくなりますよネェ。完成できない事も寂しいかなぁ…。借金やヘタ打ちで街から消えたり、鉄砲玉になったり、懲役に行ってしまったり…。『しばらく行けなくなったから出てきたら完成して下さい』って伝言され、どうしたんだろう?と思ったら、世間を騒がせた五菱会系のヤミ金グループのメンバー達だったって事も」


任侠の世界では刺青を別名「我慢」と呼ぶ。
背中に墨を背負う多くの任侠人を見てきたが、彼女が驚かされたのが稲川会の侠であった。
何度止めても侠の意志は固く、結局は三日連続・計四十時間で彫り上げた。彼女は根も精も尽き果てた。もっとも、激痛に耐えた彼の方が凄まじかった。終わると髪の毛が逆立ち、全身から熱を発していた。並大抵の精神力では無かったと彼女は言う。


「歌舞伎町というよりも、新宿って事で一般の人が意外に多いんです。OLが会社帰りに寄ったり、セールスマンが営業をさぼって入れに来たり…。ある女性がワンポイントを入れ、それを見た彼女の同僚たちが『私たちも!』って埼玉から小型バスで大挙して…。聞けば全員が同じ病院の看護婦さん。『大丈夫なの?婦長さんに叱られない?』…ところが最初の女性が婦長さん(笑)。困るのが未成年者。他人の身分証明書に親の承諾書を偽造して…そりゃ分かりますよ。一週間で消えるボディペイントをしてあげると喜んで帰りました(笑)。私が女性って事もありますかねぇ…彼氏が彼女を連れて来て『他の男には肌を見せたくない、触らせたくない』って事も。よくあるのが男の名前を入れたいっていう…。何度も決意を聞いて…結局、彼氏に電話して確認した事もあります。レズの娘が女の名前、ホモが男の名前って事も…。見せるファッションになってきましたから…女性ならではの相談も多いです。元来、お節介なのか?事情を聞いているうちに人生相談になってしまう事もしょっちゅう(笑)」

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ヤクザ、キャバクラ嬢、風俗嬢、ホスト、裏稼業、同性愛者…夜の街独特の住人たちに加え、主婦、OL、学生、サラリーマン、クラバー…。
様々な人間模様を見続けた彼女は言う。

『この街は面白いわぁ』

この言葉は「覚悟」や「生き様」の他に「悲しみ」や「業」も身体に刻んでいるのだと気付かされたからではないだろうか?




裏話 : 文中にあるベトナム人のお話

ベトナム人の女二人に男一人が相談に来た。
女の方は口唇に朱を入れたい…と。
えぇぇ!口唇に彫っちゃうのか?
で、男の方はというと片言の日本語で「ワタシ、ナオス」
彼はTシャツを脱いだ。
すると、何故か?自由の女神の筋彫り!
しかも子供のような絵!一同大爆笑!
そのベトナム人男も大爆笑!
「どうするかなぁ…これ?」
女彫師は鯉でベタッと隠す方法を提案。
しかし鯉はベトナム人の感覚に合わないらしい。
彼らにとっては食べ物。
おそらく、日本人が鯵の開きを背中に彫るような感覚?
「じゃあさぁ、観音様にすれば?」
面白がって、カバンからサインペンを取りだした馬鹿ライター。
「書いてやるよ!」
「あら、アンタ上手いねェ」
姉さんが妙に感心。
「でもさぁ、聖火持ってる観音様いるかぁ?」
言葉の分からないベトナム人女性たちも大爆笑!
ところが、ベトナム人は大喜び!


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 こんなのですから…爆笑!
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↑特冊新鮮組 2006/3/15発売号より抜粋<お洒落に敏感な女性たち> インドとファッションショーの組み合わせに違和感を覚えて、つい記事を見てしまった。しかし、考えてみればそれも当然のこと。生きるのに精一杯で、とてもファッションまでは気に...
2006/03/17(金) 12:28:33) | 歌舞伎町午前零時
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