裏の裏は、表…に出せない!
実話誌等で暴走する裏系&馬鹿系ライターが、日本最大の歓楽街・歌舞伎町から発信するグダグダな非日常的体験と裏話。そして禁断の取材メモ!
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【神峻ブログ】 ・・・ブログ始めました。ゾ~~ッと冷えています。

※ この怪しいブログの記事は、通常のブログとは違い、古い順に並んでおります。
前後編に分かれたものもありますし、追加記事を書いたものもあります。
新しいモノが先に来ると、何となく気持ち悪いからなんです。
たぶん人間として古い順番で並ばされれば、最初の方に並ぶのは私です。
・・・と、言うわけで最新記事は【最近の記事】から、
過去記事は【月別アーカイブ】または【カテゴリー】から飛んでください。

・・・スマン!


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宙出版発行『タブー地帯』シリーズ 
不定期?(今んとこは定期連載)漫画「恐怖!爆笑!ヤクザ専門ライターの珍事件ファイル」
(C) SHINSHUN / NOE


私は雑誌に、事件記事、コラム、漫画原作、Vシネシナリオ、
TVドキュメンタリーの監修やナレーション原稿などを書いている。
テーマは「裏」と「馬鹿」 …極端すぎる。
まぁ普通なら相反するジャンルってやつだろう。
これも、まぁ…元々がコント作家なのだから致し方ない。

なぜならば、私がこの世界に入るきっかけとなったオッサンがいるのである。
レオナルド熊である。
私の最初の師匠である。
まぁこれが変なオッサンであった。
その頃の熊師匠は板橋の公共住宅に住み、生活保護を受けておった。

…なのに、毎年豪華な海外旅行をし、
自宅にはさまざまな電化製品が揃っていた。
売れない芸人(その頃も売れてはいなかったが)の頃に、
チョイと悪さをして危ないお薬にはまっておったらしい…。

それで身体を壊して片肺を取った。
元来、労働意欲もない。
芸人として売れようと思ってはいない。
その後、間違って売れてしまうが、
あの頃は単なる仙人きどりのオッサンだった。


だから、オレは生活保護を受けても当然なのだと笑う。
そのくせ、民生委員が訪問すると、
庭にこさえた家庭菜園から干からびたネギやセリを摘んで、
お粥やオジヤに放り込んで目の前で食す。
…こうして同情と憐れみを買うのだ。

数年後に馬鹿売れして、
民生委員が『よかったねぇ…!』 
…あんたら!騙されてるって!


熟年離婚やリストラをされて、
自殺したり、ホームレスになったり、
…失踪したり。

ところが、こんなオッサンもいるんですよ。
まぁ…逞しい!


そんなオッサンの弟子だから、まず、マトモではない。
片っ端から、そこらの女を騙したり、
可愛がってくれるオダン(スポンサー)から金を引っ張ったり…。
そんなことだけは巧くなる。

だから、舞台に立っても面白くも何ともない。
そんなこんなで、いつしかコント台本を書く側に回ったのである。
…兎にも角にも、この時代の私が、今の私を暗示していたはずだ。

調子が良くて、要領がいい。
今の私の取材スタンスや執筆スタイルが見事にこの時代に形成されたのである。
とんでもなくいい加減な原稿なのに、読者の喰い付きは何故か?…イイ。

ともかくこのブログは、
私のお馬鹿な半生を振り返りつつ、
その時々の鬱憤をぶつける場にしたい。

なんせ、一日中、パソコンに向かっていると、
書いちゃいけない事を暴露っちゃったり、
裏話の裏話を誰かに話したくなるときがあるんですよ。
……ライター稼業の憂鬱ってやつです。

だから、ブログのタイトルは
『裏の裏は、表…に出せない!』なんです。


そういうことなんで、
調子に乗って、つい書いてしまった
『え!』
…ということも、表には出さないで下さいね。


運良くココにたどり着いたアナタ! 
気分転換にタラタラと書いているだけで誠に恐縮なのですが、
個人的なお楽しみに留めてください。
…というか、
売れないライターの馬鹿話だと思ってください。


あ?ちなみに、
私は自慢じゃないですけど、
ジャーナリズムの欠片も持ち合わせてはおりません。 


闇に光を照らしても、そこは…闇。


そういうことですよ。


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(C) SHINSHUN


kabukicho-com01

情報サイト・歌舞伎町コミューン





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歌舞伎町破門通り (まとめ)
第一章 歌舞伎町破門通り ~盃のないヤクザたち~


普段、危ない取材を重ねているルポライターたちには、
いつの間にか身体に染み付いた境界線がある。取材した内容の、
書いていい部分とよくない部分の境界線である。


たとえ惜しく思えても、そういう話は自らの引き出しに仕舞い込む。

現在進行形の抗争や事件である場合に、捜査や取調べで、
容疑者や関係者が何も供述していないのに、記事やコラムなどで、
その動機や原因・背後関係などを、得意げに書いてしまう事がある。
真相記事が捜査に重大な影響を与えてしまう。
もしも、当局と捜査上の取り引きなどがあった場合には大変な事になる。

又、オフレコ話で話してくれた事も記述するわけにもいかない。
ついつい喋り過ぎる親分も多い。彼らの話は一方的な場合が多い。
自分を悪く話すヤクザはいない。
事件や抗争には対する当事者がいる。そして関係者も多い。
その記述によっては関係のない人間や
他者の生活にまで影響を与えてしまう場合があるからである。

何より考えねばならないのが…自らの危険。
そうした境界線は自分で敷く。これは安全の為の自主規制だ。

しかし、その境界線が曖昧になってきている。

それは彼ら自身の境界線が曖昧になって来たからに他ならない。
どこまでがヤクザとしてやっていいのか?
どこからが踏み込んではいけないのか?
それが曖昧になりつつある。

ところがそうした境界線が無い連中がいるのである。

それは破門者たちである。
ヤクザを辞めたら何になるのだろうか?
それは…ヤクザ以下である。

『ヤクザを辞めたらヤクザ以下』
…ある親分の言葉である。



親分や幹部クラスならヤクザとしてのシノギを後進に譲っても、
正業のシノギでやってゆけるだろう。
中には、その地位と人脈で黒幕然とした生き方をしている御仁もいる。

しかし、末端の組員には明日はない。
指が欠けていたり、背中に彫り物があったりする元ヤクザを、
喜んで雇う企業がどこにあるだろうか?
……ただでさえ失業率が云々という時代である。 


それでは…彼らはどこに向かうのであろうか?


歌舞伎町から大久保に抜ける百人町に「破門通り」と呼ばれる通りがある。
当然、地図には載っていないし、
歌舞伎町の裏系住民でもその名を知るものは少ない。
ヤクザ関係者が陰でそう呼ぶ通りなのである。
 
カップルが歌舞伎町のファッションホテルを探して彷徨う。
満室、満室…そのうちに職安通りを超えて破門通りにたどり着く。
ここはファッションホテルどころか、
ラブホテルとも言えない古めかしい連れ込み旅館が集まる場所である。
正確にはいえないが、こうしてアナタがたどり着く場所
…そこが破門通り。

何故そう呼ばれるのであろうか? 
この通りは縄張りの空白地帯、
…いや、共同管理地帯なのである。
かつてこの場所を縄張りとしていた組織は業界事情でここを手放した。
その事情を知りえる破門者たちがこの通りに集まってシノギを掛けているわけである。
 

たしかに以前は魅力のあるシノギ場であった。
この場所は外国人娼婦たちのメッカであったのだ。
共同管理地帯に売春をシノギとする各組織が
外国人娼婦をそれぞれに派遣すれば揉める原因となるはずだった。

共存共栄を掲げる彼らはその商品を変えた。
ある組は中国人娼婦、ある組は南米系、ある組はロシア…と
出品する商品でその棲み分けを作り上げた。
そしてそれらを警備する組、
彼女たちに薬物などを供給する組、
付近の旅館からミカジメを取る組…、
こういう具合に共同管理地帯を活用した。


しかし、歌舞伎町浄化作戦や入管の不法就労者の摘発などで
この通りの外人売春は一気に衰退していった。
時代遅れの連れ込み旅館街は
何の魅力も無い通りとして彼らに放置された。
そこに破門者が集まったのである。

彼らに境界線はない。
むしろヤクザで無くなった彼らは生きてゆくために自らそれを越え始めた。
日本のヤクザ組織が微妙に距離を保つ外国犯罪組織とも繋がっていった。
彼らから薬物の供給を受けて販売したり、
ピッキングやスキミングという彼らが持ち込んだ技術を使い、
ヤクザ以下の犯罪者集団に成り下がってしまった感もある。

しかし、彼らはそれだけでは終わらなかった。
ヤクザでは手が出せなかった彼らならではの新たなシノギとは…?


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第二章 :歌舞伎町破門通り ~ヤクザを辞めたらヤクザ以下~


『彼らは何にでも手を出す。そう言っても過言ではない』


ある親分はそう言う。
彼らは従来のヤクザ組織が行なうシノギに手を出すわけにはいかない。
…となれば、より犯罪性の高いシノギや既成のヤクザには思いもよらない方法に手を出す。

携帯電話を使用した「090金融」がその後のシステム金融といった
ヤミ金や振り込め詐欺などの犯罪のターニングポイントであった様に、
彼らは新たなシノギとシステムを生み出す。
振り込め詐欺や架空請求詐欺も、
彼らが元出会い系業者やヤミ金業者の若い連中を取り込んで生まれた犯罪である。
覚醒剤を「アイス」「エス」と言った名称でシロウトが手を出しやすくしたのも彼らである。


既成のヤクザは金を持っているグレーゾーンの人種や
企業などには手を出すが、
落とし穴に落ちてくるカタギは別にしても
一般のシロウトには手を出さない。


しかし、彼らはそのシロウトが簡単に金を吐き出す事を知っていた。
結果、道徳心の麻痺したヤクザになりきれない若者たちを取り込んだ集団が生まれた。

フィッシング、スキミング、ネット犯罪など、彼らのITの知識や
新技術を応用した詐欺犯罪が生まれることとなった。
…と同時に犯罪コーディネーターと言える人間たちが現れてきた。
ヤクザ、外国犯罪組織、グレーゾーンのカタギ…、
彼らがそうした人間たちを結ぶのである。

彼らに利権や儲け話が持ち込まれると、
したたかに犯罪をコーディネートするのである。
外国人強盗団に日本人の金持ち情報を流し、
外見上、目に付きやすい彼らに代わって下見役を勤める。
東南アジアのカード偽造集団に日本人の買い子や出し子を手配…、
米、農作物の強奪の手配をし、販売先を確保する。


ヤクザ社会や地下に潜っている外国人犯罪者組織との面識があり、
その事情を知り尽くしている彼らにこそ可能な職種かもしれない。


個人情報を扱う名簿屋やデータ屋、事件屋、
整理屋、回収屋、倒産屋といったヤミ経済、
ワケあり不動産や違法品、盗品などを扱うアングラ系ブローカーなどを彼らは結ぶ。

自分がどの犯罪のどの部分を担当しているのか知らなくて、
知らず知らずに重要犯罪に加担しているというシロウトが多くなっている。

そういう現状も彼ら「盃を持たないヤクザ」たちが生み出しているのかも知れない。
そうした代表がヤミ金の帝王と呼ばれた人物なのかも知れない。


彼らは既成のヤクザ組織と敵対しているわけではない。
むしろ彼らの望む二部リーグ的な部分もある。
先の振り込め詐欺や架空請求詐欺、
強盗や窃盗事例、違法薬物販売などの事例もそうであろうが、
ヤクザ組織が体面的に手を出せない犯罪行為や
彼らの下請け的な仕事にも積極的に手を出して、
そのノウハウを提供したりもする。
ヤクザ組織の保護下にある集団もある。

盃を持たないヤクザ予備軍という側面も持っている事は間違いではない。


彼らをどう位置づけていいのだろうか? ある破門者が言う。

『ヤクザ組織ってよくピラミッド型っていうだろ?あれは嘘だね。
たしかに三角形だよ。でも、それは恐ろしく鋭角なピラミッドだ。
で、底辺は広がっている。押しピンみたいな形だよ。
先端にいるのは一握りの人間、俺たちは押しピンの底だよ。
しかも先に行くのに途中で溝があるような気がする。
俺たちがヤクザである利点は看板が使える事だろ?
ところが、使えばサツに捕まる。
勝手に使うなと上からは怒られる。
もうバカらしくて! だったらフリーの方がいい!』


ヤクザ社会にも構造改革が起きていると言われる。
組員の犯罪は組織の長の責任であるとする
使用者責任の最高裁判決を受けて組織改革を進めているのだ。

ヤクザ社会そのものの離合集散。
組織内部においても総裁制の導入や連合体からピラミッド型組織への移行。
表社会の企業統合や企業体の構造などに似せて来ている。
そうした事も彼らを生み出す一因となっている。

ある犯罪学者はこう分析している。

『ヤクザは近い将来、三階層に分かれる。
一番上は利権を握ったフィクサー的階層、
次に企業化した表経済に関わる階層、
一番下に本来のヤクザと呼ばれる裏経済を担当する集団。
そして彼らから隔離された犯罪を一手に扱う集団』

ヤクザ組織とは違う外国型の犯罪組織が次々と誕生するような
…いや、すでに誕生しているのかも知れない。

それを象徴するような事件が、広島で起きた。
その「盃を持たないヤクザ」は、事もあろうに……


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第三章 :増殖する新たな犯罪組織…彼らは盃を持たない


平成十六年二月九日午前零時すぎ、
広島市中区の広島東警察署が襲撃された。
何者かが正面玄関に向けて銃弾を撃ち込んだのであった。
実行犯は今なお逃亡中である。

それは、あらゆる闇犯罪を支配した鬼畜集団が放った恨みの銃弾であった。
襲撃の動機は、逮捕された彼らの仲間へ対する捜査を甘くするよう、
同署捜査官に申し入れたところ、拒否されたことへの逆恨みであった。
警察の威信を陥れんがための大胆不敵な犯行である。

その組織の名称は「インターナショナル・シークレット・サービス」

この事件はのちに警察と犯罪組織との癒着を露呈させることになる。

この警察襲撃事件の裁判で
裁判長はISSについて「暴力団まがいの組織」と表現。
捜査方針の変更を警察署員に迫ったが、
聞き入れられなかったことに激高し、
同署のメンツをつぶして組織の威勢を示すことを目的に発砲したと動機を認定した。

…彼らは如何なる組織であろうか? 

盃を持たない暴力組織。
既成のヤクザ組織には属さず違法行為を繰り返す犯罪組織である。
メンバーのほとんどは20~30代と若く、
主たるシノギは覚せい剤の密輸販売。

彼らはカップ麺のスープ包装の中など食品の中に覚せい剤を忍ばせ、
大胆不敵にもフィリピンから国際郵便を使って密輸していたのである。
広島県警は末端価格約二千三百万円の覚せい剤を押収したが、
それは氷山の一角であったことは言うまでもない。

彼らはこれら違法薬物の密輸販売を主に、
ヤミ金、振り込め詐欺、銃器密売、恐喝…と、
さまざまな組織犯罪に手を染めていた。

リーダーはS(逮捕済)。
彼を中心に舎弟、子分という既成の暴力団形態を模し、
組織化されたギャングという言い方が、
もっとも当てはまるかもしれない。


実はISSにはある重要事件への関与が警察関係者に囁かれていた。
神戸テレクラ放火殺人事件である。
その事件の実行犯は、犯行後に広島に逃亡した。

その際に、火傷をした犯人に病院を手配したのがSであった。
この事件で彼は参考人として呼ばれたが、善意の第三者として釈放された。


ところが、週刊現代があるスクープを発表した。

それは広島県警の現職刑事からの告発であった。
ISSの首領であるSがこの放火殺人事件の首謀者だが、
広島県警の捜査官との癒着があり、
捜査に手心が加えられているどころか、
彼らによって庇護されているとしていた。

その実名報道された捜査官はヤラセの拳銃摘発などの点数稼ぎでSに対して恩義があり、
Sも同捜査官のエス(スパイ)を務め、
同捜査官らに対して利益供与していたという事実が暴露されていた。
広島県警は抗議文を同誌に送りつけたが、

……のちに真実が浮かび上がってくることになる。


広島県警は重い腰を上げた。
癒着を暴いた週刊誌報道の直後に、
次々とメンバーは逮捕され、
彼らの犯した犯罪が暴露された。

Sは警察署のみならず、
購入しようとした億ションの審査に落ちたことを逆恨みし、
不動産販売会社にも銃弾を放っていた。


昨年10月、ついに決定的な法廷証言がされた。

広島東警察署銃撃事件で逮捕されたISSメンバーのひとりが、
Sの指示でリンリンハウス放火殺人事件が実行されたと証言した。

被告人質問の中で
Sはリンリンハウス事件の容疑者の面会によく訪れており、
『わしのせいで4人死んだ』と言った」とSの発言をを名指しで証言したのであった。
その他の殺人事件にも関与している証言もある。

神戸の放火殺人事件のリーダー格、
広島の襲撃事件の実行犯はいまだ逃亡中である。
当局は必死に追いかけている。
検索サイト・ヤフーにバナーを貼って
所轄警察本部の指名手配書に飛ぶようにしている。

しかし、彼らは捕まらない。
捕まるわけがないからだ。
彼らは国内にはいない。
……ひょとしたら。

こうした「盃を持たないヤクザ」たちは、今、全国で増殖している。


歌舞伎町・破門通り……そこに集う破門者たちは言う。

『俺たちはアウトローだ。
ヤクザみたいに、法律スレスレじゃなくて、
完全に法律(LAW)の外(OUT)でシノいでいるからアウトローなんだ。
底辺(LOW)に堕ちた(OUT)わけじゃない』



『歌舞伎町・破門通り』『盃を持たないヤクザ達』『ISSの狂気』
(C)SHINSHUN / 劇画マッドマックス(コアマガジン)vol11・vol16・コラム原稿を加筆改稿。


追記:神戸テレクラ放火、同業の女が依頼か…実行役に現金?

 4人が死亡した神戸市中央区のテレホンクラブ「リンリンハウス」系列店の連続放火事件で、実行役に犯行を指示したとして殺人と現住建造物放火などの容疑で逮捕状が出ている広島市内を拠点とする麻薬密売グループのリーダーの男(45)(銃刀法違反罪などで公判中)が犯行直前、神戸市内で当時テレホンクラブを経営していた女(65)から1000万円以上を受け取っていたことが、兵庫県警生田署の捜査本部の調べでわかった。

 県警は、女が東京から進出してきた業界大手のリンリンハウスに客を奪われると危機感を持ち、多額の報酬で犯行を依頼したとみて、女にも同じ容疑で逮捕状をとっている。

 調べによると、当時リンリンハウス系列店が神戸市内でも急成長していたため、女は2000年初めごろ、リーダーの男に営業妨害を依頼。当初は消火器を噴射したり、ペンキをまき散らしたりしていたが、効果がなかったとして、リーダーの男が、元暴力団組員の堀健一容疑者(37)(指名手配)ら3人に放火を持ちかけたらしい。

 リーダーの男は、女から受け取った現金のうち半分を堀容疑者ら実行役3人に渡したとみられる。
(読売新聞) - 2月8日3時5分更新



神戸テレクラ放火で逮捕 愛媛県警、容疑で
2008年7月28日 02時28分 共同通信

愛媛県警は28日午前、神戸市のテレホンクラブ「リンリンハウス」の放火事件で、現住建造物放火などの疑いで、住所不詳、無職堀健一容疑者(39)を逮捕した。調べによると、堀容疑者は、1審で無期懲役とされた元テレクラ経営中井嘉代子被告(67)らと共謀。2000年3月2日、「リンリンハウス」の営業を妨害するため火炎瓶を投げ込んだ疑い。放火で男性客4人が一酸化炭素中毒死した。


シノギは削るもの
『シノギは削るものだよ』
 
私にそう言った男がいた。ゲーム屋で知り合ったその男は台湾人であった。


 日本刀は世界に類のない美しさと力強さを兼ね備えた最高の刀剣だ。剣は鋼(ハガネ)に刃入れをしただけの、単なる薄っぺらな一枚の鉄の板ではない。芯鉄とよばれる鋼鉄部分と、それを包み込む軟鉄を巧みに組み合わせ、炎と水で鍛え上げられて造られている。

 その芯鉄と軟鉄の組み合わせは、日本の国技である大相撲の力士が、鍛え抜かれた筋肉の上に、衝撃を吸収する脂肪の鎧を纏っているようなモノかもしれない。

 刀剣の断面を見ると、強度を持たせるために中央部が厚くなっており、細長い五角形になっている。鎬(しのぎ)というのは、この断面の一番厚い部分の頂のことだ。戦さ場では、この一番頑丈な部分である「鎬」を、叩きつけ、削りあい、凌ぎあう。

 よく時代劇で刃先と刃先を鍔ぜり合ったり、弾き合ったりしているが、アレは嘘だそうだ。実戦では相手の刀を極力受けないようにするそうだ。受けても鎬(しのぎ)で受け流すように受けるのが実際であるそうだ。ただそれは立ち合いの場合で、複数の敵との白兵戦となる戦場ではそうはいかない。

 戦国時代の合戦では主な武器は槍の場合が多かった。それは「衝く」「叩く」「薙ぐ」「斬る」と中距離から攻撃できる武器として戦国時代の主流であった。腰の刀を使う場合は、槍が失われた場合か、近距離での白兵戦となった場合、または相手にトドメをさす場合に使用される。トドメは鎧の隙間から身体に刺し込むか、首の頚動脈を断ち切る。その為に使い勝手の良い小太刀や脇差が使用された。

 当然、戦国時代にも打ち刀や大刀はあったが、日本刀が大型化するのは江戸時代末期である。維新刀と呼ばれる大刀が天誅や暗殺に使用された。この頃には道場剣法が盛んになっており、チャンチャンバラバラな世界で、頑丈になった刀剣の鎬を削りあったのも事実である。


 ところで、裏の世界で言う「シノギ」…それは生きていく術。生きていく為には削りあわねばならない。たしかに彼の言う通りだった。裏社会や夜の街では「シノギ」は削るものだ。

 歌舞伎町では、次々と新しい商売や手法が生まれ、古いモノにしがみついているだけの者達は淘汰されてしまう。アングラな業界にも、新しい勢力が生まれては、弱いモノから消えていく。油断していればあっという間に喰われてしまう。

 この街は、澱んだ行き止まりの川のように例えられるが、実はそうではない。新しい水が次々と流れ込んでいる。それもとんでもない毒水が…。その台湾人に出会ったのは昭和の終わり。


 彼が台湾から歌舞伎町に流れ込んだ、とんでもない毒水だったことは新聞で知った。


……彼はのちにピストル楊と呼ばれた。

彼の正体は、又、別の機会で……。

一攫千金の街
 歌舞伎町に長らく漂っていた。私は完全なる田舎者である。思い描いて上京した人生のレールだったが、何も考えずに楽な方向に進んでゆくうちに、気が付くと立っている場所は歌舞伎町だった。

 そういう意味では典型的な歌舞伎町人間だろう。なぜなら街の住人は私と同様に吹き溜まった人間たちがほとんどだからである。家出少年だった奴、夢見て頑張っている奴、手っ取り早く稼ごうとしている奴、何らかの事情を抱えてしまった奴…。自ら目指してきた奴、仕方なしに来た奴。何かを追いかける奴、何かから逃げている奴…。

 そんな人間たちに囲まれて、毎日を必死で、いや、何となく、生きているうちに、この街が本拠地となってしまった。

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 おかげで、今は街の事情や住人たちの話を書いてメシを食っているわけだから、これで良かったのか? 悪かったのか? 


 この街は突き詰めれば、男と女の世界、正と負の世界。たどり着く先は二種類。金を掴む奴と失くす奴、成功する奴と性交する奴。……ごめんなさい! ともかくヤクザであろうが、実業家であろうが、ホステス、ホスト、アングラ商売…。全ての住人の終着駅はこのどちらかである。天国か地獄か?

 そりゃ地獄より天国の方がイイに決まっている。景気のいい話の方が良さそうなので、一晩に億の金を手にした喫茶店のボーイの話をしよう。…といってもバブル時代の話ではあるのだが。



 歌舞伎町の高級クラブ街のど真ん中に某ビジネスホテルがある。ネオン街ということもあって、その利用のされ方は当然の事ながら逢引き用。ホステスと客、ホストと客 。つまり買う奴と売る奴。

 夜の街で考えられる組み合わせの殆んどが利用している。ネオン街ならではの特殊な組み合わせがほとんどだ。一般のカップルはラブホテル街に流れるために、このホテルはもっぱら歌舞伎町の住人たちの御用達である。

 ただ、一年に一度だけの大学の受験シーズンには、東京中のホテルが受験生とその家族で満杯になり、この歌舞伎町のビジネスホテルにまでも受験客が溢れる。学習環境としては日本で一番悪い場所に宿泊して受験に臨む学生。他人事ながら試験前日の追い込みが煩悩だらけの街。やっとの思いでホテルを取ったに違いないだろうが、実に同情してしまう。これも人生の乗り越えねばならない壁なのか?

 さて、ネオン街のど真ん中に位置するこのホテルに、お忍びのカップルが入るのにはかなりの勇気がいるのだが…。そこはそこ。抜け道がある。ホテルには地下・一階・二階と飲食店や美容院などがテナントとして入っており、チェックインさえしておけば、フロントを素通りして、その店の利用客に成りすますことが出来た。

 このホテル…。バブル時代はライオンで有名な不動産会社のホテルであった。沖縄のマンションにはシャレでシーサーを置いていることで有名な会社だ。歌舞伎町にもいくつかマンションがある。さっきからライオンと言っているのに隠すのも妙な話だが、歌舞伎町の住人たちにはヤクザマンションで有名なLマンションの会社である。

 この会社が都内一等地に超巨大なビルを建てた。それに伴い、無駄な資産を売却し、建設費を捻出することになった。回転率抜群の歌舞伎町のホテルが無駄だとは思えないのだが、ともかく売りに出すことにしたのであった。

 …で、どこか買ってくれる企業はないものだろうか?…と、ライオンの会社の幹部はホテルの横の喫茶店でヒソヒソ話をしていた。

 その話に聞き耳を立てていたのが、件のボーイ君であった。そのボーイ君のいる喫茶店は、実を言えばLホテルのライバルホテルの喫茶コーナーであった。その場所にはLホテルと並んでホテルが建っていたのである。

 ここからのやり取りは、あくまでも想像なのだが、ボーイ君は『その話、僕にまとめさせて頂けませんか!』と突然に切り出したのだろう。

 彼の勤める店のオーナー、つまり、軒を並べるホテルの経営者が、常日頃、従業員にぼやいていたらしいのだ。
『あのLホテルのせいでウチには客が入らない…。なんとかせにゃ!』

 彼のホテルは歌舞伎町のメインストリートである区役所通りに面したLホテルの陰に建っていた。そのせいか、まずLホテルに客が入る。Lホテルが満室になると、おコボレのように客を拾って、成り立っている状態だったに違いない。

ボーイ君はオーナーに進言した。

『ライバルのLホテルがなくなるばかりか、自分のものに出来るんです!』

そう言ったかどうかは分からないが、そういう話をオーナーに持ちかけた。

 かくして話はトントン拍子に進んだ。かつてライバル関係で、Lホテル関係者とは口も利かなかったはずの、彼のホテルのオーナーは即断したのである。それも他の買い手が現れる前に…。そりゃそうだ。Lホテルが他人の手に渡ると、一石二鳥どころでは無くなる。かえって華々しくオープンされて、自分のホテルが霞んでしまうことは間違いない。バブル期ということもあって、彼は破格の条件を切り出した。



歌舞伎町に現れると、まずその喫茶店でコーヒーを飲むのが日課だった私は、店内をキョロキョロと見渡した。

『あれ?彼、どうしたの?…あの調子のいいボーイ』

喫茶店の店長はため息混じりに私に告げた。
『あの野郎、億の金を掴んで、飛んでったよ!』


店長の話は嘘か真か? …その後、Lホテルは軒を並べて一軒のホテルになった。ホテルCとホテル・ニューCである。その後、経営者が変わったのか? かつて二軒だったホテルは、名前を変えながらも、今でもその場所に建っている。


歌舞伎町の9・11
 
世界を震撼させたNYの9・11同時多発テロ…。
その事件のさなかに歌舞伎町の某キャバ嬢との私のあいだで交わされた会話を忠実に再現しよう。

私はテレビのライブ映像に釘付けになっていた。
燃える貿易センタービル。
二機目の旅客機がビルに突っ込む。
映画以上の迫力に私は言葉を失い、呆然としていた。

その時に私の携帯が鳴った。
歌舞伎町の某キャバ嬢からの営業電話だった…。


キャバ 『ねぇ!安くするから来てよ! なぜか? 客足がピタッと止まったんだよね…』
(当たり前だろ!この大事件!)

キャバ 『私が立て替えるからさぁ、ツケでもいいからさぁ…』
(普段は数分の延長料金もきっちり取るくせに!)

私 『あのなぁ…。戦争が始めるかもしんねえんだぞ!』
(CGさながらの画像が現実であることに興奮していた私)

キャバ 『戦争?………どこの組?』
(はぁ?)

キャバ 『ねぇ! 今度はどこの組と、どこの組!?』
(この頃は国粋会の内紛、住吉会と稲川会の神奈川抗争、山口と住吉の北関東抗争とヤクザ業界は賑やかであった)

私 『……。違う! ビルが燃えてんだよ!』
(貿易センターが崩れる直前だった)

キャバ 『え?火事ぃ?……どこ?どこ? 店長!歌舞伎町でまた火事だってぇ!』
(9・11の直前に歌舞伎町では、あの忌まわしき雑居ビル火災が9・01に起こっていた)

キャバ 『ねぇ!どこが火事? ねぇ!どこの組? ねぇってば!ねぇ!』

私 『お前さぁ…一生、歌舞伎町に居ろ!』

ガチャン。

ちなみに、めでたくも今年、あの時の旅客機のように、まっしぐらに30代へと突入した彼女は、いまだに歌舞伎町に居ます。…こんな奴ばかりです。

だから歌舞伎町は楽しい!
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[歌舞伎町の9・11]の続きを読む
追悼 写真家・渡辺克巳
渡辺克巳氏、初の写真集…「新宿群盗伝」
こんなに危険な匂いのする写真集はあっただろうか?
そこに写っているのは、歴史の中で役目を終えた新宿の街並み、
歌舞伎町の得体の知れない住人たち…。
渡辺克巳のファインダーに囚われた男たちは、
日本刀、ナイフ、鉈…、持っているものに違いはあれども
全員が心の刃(やいば)を隠し持っているようだった。
オンナたちは屈託のない笑顔。しかし、その悲しさを隠しきれていない…。
いや、渡辺克巳がそれを浮き彫りにして見せたのだ。
平成18年1月29日、新宿の偉大な写真家が死んだ。
私は知って欲しい。こんな写真家がいたということを…。
歌舞伎町の新しい住人たちに、全国の写真ファンに…。
……そして忘れないで欲しい。


平成18年1月29日午前…。編集部で極道作家・出石大氏からの依頼で、「実話マッドマックス」のグラビアチェックをしていた。間違っても雑誌などに出て頂けるはずもない九州の親分が主催したパーティーの潜入グラビア。写っているのは表に出ることのない凄まじい侠客ばかり…。慎重を期すということで担ぎ出されたというワケだった。

私はそれらの写真を見つめながら、ふとデジャブに襲われていた。そういえば、かつて、こんなドキドキした気持ちで写真を眺めたことがあったなぁ…。それは何だったろう? 怖いものや見てはいけないものを見ているような…。見ているだけで、その世界に取り込まれそうな気分。その時、一本の電話がそのデジャブが何だったのかを教えてくれた。

電話は歌舞伎町写真家の董沙貝氏からであった。彼の本職は中国画家である。大学で絵画の講師をしながら、歌舞伎町に魅せられて筆をカメラに換え、街の写真を撮り続けている中国人フォトグラファーである。電話の向こうで彼はかなり慌てていた。

『ナベさんが…!ナベさんが!』 …まさか? 私は膝がガクガクと震えだした。そのまさかであった。…と同時に、私はデジャブの原因を理解した。写真集『新宿群盗伝・渡辺克巳写真集』。それだ!その写真集を初めて見た時のドキドキ感だったのだ。虫の知らせだったのだろうか…? これが、歌舞伎町という名の戦場カメラマン、渡辺克巳氏の死を知った瞬間だった。



……私は氏に届かぬ手紙を書くことにした。


拝啓 渡辺克巳様

長い間、お疲れ様でした。
あなたは毎夜、歌舞伎町に立ち続けました。
その根性には頭が下がる思いでした。
身体を壊し、ガリガリになった足で、歌舞伎町を飛び回る。

あなたの撮る人物は、たしかに歌舞伎町の景色になっていました。
被写体となった人たちの「現在」は勿論のこと、「過去」を思い浮かべさせられる写真の数々…。それだけでなく、
『この人、今はどうしているんだろう?』
「未来」までも思わせてしまう…全てがそういう写真でした。

コマ劇場前の広場にダンボールを敷いて、根気良くシャッターを押させる「何か」を待ち続けていましたね。

憶えていますか? ナベさんをホームレスと間違えた女の娘の話。
『おじいちゃん、帰るところないの?寒いからコレで暖まりなよ…』
缶コーヒーを差し出したのは、ボロボロの鞄に小さなぬいぐるみを沢山ぶら下げた女の娘でしたよね。
帰るところがなくて、男に声をかけて、その日暮らしをしているような女の娘。
『優しい娘だったんだよねぇ…。あの娘、環境や出会う人が良かったならば、イイ奥さんになって、いや、なれるだろうなぁ。…せつないねぇ』
そう言いながら、その娘に貰った冷めた缶コーヒーを、いつまでも手の中で転がし続けていましたよね。

初めてイカ墨スパゲティを食べて、美味いねぇ!と、口の中を真っ黒にして、夢中でアナタは話す。
『街に溶け込んだ、風景になったような…人物を撮りたいんだよ』

ナベさん…、実は、アナタがそうだったんですよ。

…ゆっくりと休んでください。


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渡辺克巳氏の代表作である「新宿1965-97」(新潮社)
表紙は歌舞伎町で知る人ぞ知る若き日の吉村光男親分
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